(2024/2/27 05:00)
26日の東京株式市場の日経平均株価は、22日に付けた史上最高値を更新した。株価は4万円台が視野に入ったとの見方もあり、今後の焦点の一つが2024年春季労使交渉(春闘)の行方になる。意欲的な賃上げで個人消費が上向けば、株価と実体経済との乖離(かいり)も是正される。すでに業績好調な自動車大手や人手不足に悩むサービス業の間で満額回答が相次いでいる。この流れがどこまで継続するかを株価動向とともに注視したい。
日経平均株価は22日に取引時間中の最高値3万8957円を約34年ぶりに更新し、26日も続伸して取引を終えた。米株高、円安、堅調な企業業績、デフレ脱却期待、東京証券取引所のコーポレートガバナンス(企業統治)改革などを外国人投資家が好感する。日銀が堅調な24年春闘を受けてマイナス金利政策を解除しても、当面は緩和的な金融環境とされていることも買い安心感を与えているようだ。
24年春闘は好スタートを切っている。23年4―12月期に営業利益が過去最高を更新したホンダの賃上げ率は5・6%、マツダも6・8%と連合の目標「5%以上」を上回る満額回答だった。半導体不足が解消し、北米を中心に販売を伸ばしており、取引先への波及が期待される。
流通サービス業も、イオンの中核子会社イオンリテールの正社員の賃上げ率が6・39%、パート従業員の時給が7・02%と満額回答。すかいらーくホールディングスも満額回答の6・22%で早期決着した。難しい人材確保の実態が浮かび上がる。
ただ、これらは賃上げに積極的な企業による早期決着で、3月中旬の集中回答日以降の動向は予断を許さない。全事業所の7割を占める中小企業の価格転嫁が円滑に進み、全労働者の4割に達する非正規雇用者がすかいらーくHDのような処遇改善を受けられるかが焦点になる。
経団連は今春闘での経営側の指針で、中小企業の賃上げを支え、有期雇用労働者の待遇改善を進める必要性を示した。この指針が浸透し、株価と賃金がともに上昇する「生活実感のある株高」に早期に修正したい。
(2024/2/27 05:00)
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