(2024/3/6 12:00)
安全性高い環境 従業員間で議論
フルカワセラミックス(新潟県阿賀野市、古川幸作社長)は、従業員の約半数を占める女性が生産現場を支えている。加工するファインセラミックスは金属よりももろく、材料としての扱いが難しいが、仕上げ工程に多くの女性を配置。さまざまな取引先からの微細化需要に応えている。異業種からの転職で来る従業員も多いが、清潔で安全性の高い職場環境を全員で維持する取り組みを展開し、管理職候補の若手女性の育成にも力を注ぐ。
フルカワセラミックスは2011年に古川社長が設立し、ファインセラミックスの高精度加工を得意とする。24年3月期売上高は12億円の見通し。従業員は約100人で、平均年齢は30代半ば。最近は半導体製造装置向けを中心に受注が伸びているという。
質感が陶磁器などに近いファインセラミックスは、金属に比べ加工時にヒビや傷が入りやすく慎重な作業が必要だ。工場には平面や立型の複合研削盤、マシニングセンター(MC)などがずらりと並ぶが、最後は人が手で仕上げる。生産する部品は形状がまちまちで微細なだけに、最終工程では女性従業員が多く活躍している。本社工場の千葉美保子副工場長は「女性はやはり細やか。作業はもちろん、期限に間に合わなそうになると密に報告してくれるので助かっている」と話す。
女性が定着する理由の一つに清潔な職場環境がある。加工機の中で発生した切りくずは泥状になりやすい。排出するために液を循環する装置ではフィルターなどを駆使。液の交換頻度も高め、においを抑えつつ、見た目にもきれいにしている。
さらに職場の安全性について、全社で振り返る時間を月に1度の頻度で設け、パトロールなどを通じ従業員間の議論を促している。古川社長は「社員たちが過ごしやすいようにしたい。その上で、家に安全に帰れる職場であると認識することが重要」という。
同社の周辺にファインセラミックス加工業は少ない。中途入社は異業種からが多く、自社で育成してきた。現在、管理職8人のうち女性は3人。30年までに女性管理職比率を50%以上に引き上げる目標があるが、古川社長は「近年中に」と実現を急ぐ。
(2024/3/6 12:00)
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