(2024/3/6 17:00)
車の技術を他産業に活用
中部地域の中小製造業と北海道のロケット発射インフラをつなぐモノづくりネットワークが生まれようとしている。技術経営士の会東海支部(名古屋市西区、新美篤志支部長)は、北海道大樹町の商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」と連携し、国内外のロケットメーカーが同宇宙港で必要とする部品製造や修理などの体制整備のニーズと、中部の中小製造業をマッチングする仕組み作りを始めた。この枠組みを通して、中部での宇宙産業の振興とHOSPOの活用促進を狙う。
3月15日には同支部が名古屋市内で、HOSPOを運営するSPACE COTAN(スペースコタン、北海道大樹町)の小田切義憲社長を招いた講演会を開く。講演では、HOSPOを中核として進展する宇宙産業の集積の現状を紹介し、宇宙ビジネスの可能性について発信する。これを足がかりに、宇宙産業への参入を希望する中部の中小製造業を800社程度集める計画だ。
HOSPOは民間企業が利用できるアジアで初めての宇宙港。水平方向、垂直方向のどちらにも対応できる地理的な優位性があり、国内外のロケットメーカーから注目されている。
現在建設中の人工衛星用ロケットのための発射場「LC―1」は2024年度に完成する予定。この場所は「ロケット発射場としての立地に恵まれている」(富田茂同会東海支部事務局長)一方、ロケット発射に必要な部品の供給や、故障などのトラブルへの対応に、モノづくり企業の下支えが不可欠となる。自動車産業で培った高い技術力を持つ中部の製造業の協力により、北海道に「宇宙版のシリコンバレーを作る」(同)ことを目指す。
自動車産業が主力の中部では、電気自動車(EV)化など産業の構造変革への対応が課題となっている。同支部によるマッチングは、「中小製造業1社では難しい宇宙産業への参入を支援し、培った高い技術力を他産業へ生かす手段となる」(岡野勝支部長代行)と関係者は期待する。
(2024/3/6 17:00)
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