(2024/3/19 14:30)
日銀は19日に開いた金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決定した。マイナス0・1%としていた政策金利を無担保コール翌日物金利に変更し0―0・1%程度に誘導する。日銀が政策金利を引き上げるのは2007年2月以来、17年ぶり。また長期金利を低く抑え込む長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の枠組みは撤廃する。10年以上に及ぶ大規模金融緩和政策から転換し、金融正常化に踏み出す。
24年春季労使交渉(春闘)では第1回回答集計の平均賃上げ率が5・28%(23年は3・8%)と想定以上の数字となった。日銀はこれらの結果を踏まえ、2%の物価安定の目標が「持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」と判断した。
長短金利操作の撤廃に伴い、従来の声明文にあった「10年金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う」などの文言を削除した。日銀は10年金利の上限を死守するため、大量の国債購入を強いられており、国債保有残高が発行残高の過半に達し債券市場の機能低下をもたらしていた。
一方で金利の急騰を防ぐため、一定規模の国債の買い入れは継続する。足元の月間買い入れ額は6兆円程度だが「これまでとおおむね同程度の金額」で買い入れを続ける。マイナス金利解除後も緩和的な金融環境を継続し、政策の連続性を維持する。
長期国債以外の資産の買い入れ方針も見直す。上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J―REIT)の新規買い入れを終了する。コマーシャルペーパー(CP)や社債も段階的に減額し、1年後をめどに終了する。
(2024/3/19 14:30)
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