31カ国の出身者 一丸に ZenGroup

(2024/4/2 12:00)

越境EC、世界中に顧客

ZenGroup(ゼングループ、大阪市中央区、スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴ社長)は、越境の電子商取引(EC)で成長中のスタートアップだ。海外顧客に日本の商品を代理で購入し、発送する事業を展開する。従業員の約2割が外国人の“グローバル企業”であり、欧米や東南アジアなど31カ国の出身者が活躍する。世界中の顧客が相手ゆえ、各国の文化やニーズに応じたサービスの提供が競争力の源泉だ。

ゼングループはスロヴェイ社長含むウクライナ人とロシア人計4人が創業した日本企業だ。世界的なECの拡大を背景に、2023年の商品出荷数は19年比2・5倍の約28万個に伸長。売上高は120億円(23年6月期)に上る。

  • 人事企画チームリーダーのヨシムラ・チャールズ氏(左)、マーケティング課副課長のビチェック・ズヴェニスラヴァ氏(右)

多言語対応が必要なため外国人の従業員は多い。人事企画チームリーダーのヨシムラ・チャールズ氏もその一人。米国出身で14歳から日本語を学んだ。複数の企業を経て今は採用や研修を担当する。

母語や文化が異なる人々が共に働く職場で重視することは何か。ヨシムラ氏は「国籍や言語ではなく、スキルや能力、素質に注目することだ」と話す。マーケティング職のビチェック・ズヴェニスラヴァ氏はウクライナ出身。16年に母国でカスタマーサポート業務を始め、19年から現業を担う。マーケティングはそれまで未経験だったが、研修を積極的に受けるなど「意欲的な姿勢が評価された」(ビチェック氏)。

「現地の事情が分かっていること」(ヨシムラ氏)も強みだ。引き合いの多い商品の一つに、アニメキャラクターのフィギュアといったポップカルチャー関連がある。日本では有名なアニメでなくとも、特定の国で放映され、現地の人気が高い作品もある。適切な商品を購入して届けることが重要だ。文化的に好まれない商品を選別することもできる。

  • 海外顧客向けに日本の商品を代理で購入し発送する

「皆が同じ方向を向いて一丸になる」(同)ため、従業員同士のコミュニケーションには心を砕く。具体的にはソフトボール大会や飲み会、遠足などの「イベントを毎月数回は開いている」(同)。

仕事とプライベートに一線を引く企業が増える中、あえて昔ながらの手段をとるが参加は自由。「強制だと行きたくなくなる」とヨシムラ氏は指摘する。

スポーツが苦手な人はチェスのイベントを楽しむ。育児のため夜の飲み会に行けない人とは昼のイベントで会う。会社がさまざまな選択肢を用意しつつ、各人の自由を尊重する姿勢が、組織のまとまりを生み出している。

(2024/4/2 12:00)

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