産業春秋/非正規の「無期転換ルール」

(2024/4/2 05:00)

1日から「無期転換ルール」の明示が義務化された。「有期」労働契約が通算5年を超えて更新される際、雇用者は「無期」労働契約への転換が可能である旨を労働者に明示する必要がある。無期転換後の労働条件も明示しなければならず、雇用者は注意したい。

無期転換ルールは2013年の改正労働契約法で制定された。有期の労働契約を無期に転換することで、「雇い止め」の不安を解消する狙いだ。雇用者は労働者の申し出を拒否できず、無期転換への切り替え間際の雇い止めは無効となることがある。

有期から無期への契約転換により、必ずしも正社員になれるわけではない。だが生活基盤が安定することで、個人消費や少子化対策にプラスに作用すると期待したい。

非正規雇用は全労働者の4割弱を占め、賃金は正社員の7割程度とされる。同一労働同一賃金による処遇改善や、非正規の正規化も推進することでデフレに戻らない経済に再生したい。

連合によると24年春季労使交渉(春闘)での非正規の賃上げ率(1次回答集計)は月額6・75%と、正社員の5%台を上回っている。人手不足に対応した高い伸び率で、最終集計でも高水準を維持すると期待したい。

(2024/4/2 05:00)

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