(2024/4/11 12:00)
―28カ国に拠点を持つミネベアミツミの購買部門として、100万点以上の部材を調達しています。
「先行きが不透明な時代にも対応できるよう、柔軟な調達体制を目指し、仕入れ先の選択肢を増やしてきた。契機となったのはコロナ禍での経験だ」
―具体的には。
「当社の仕入れ先は国内外合わせて7000社を超える。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って各国で都市封鎖(ロックダウン)が同時多発的に始まり、一部部材の供給に遅れが生じた。だが、それを理由に当社の工場を止めては顧客に迷惑がかかる。顧客にも協力いただきながら『調達改革』を進めた。部材を複数の国や工場から仕入れられるように調達の分散化を図ったのはその一例。他にも自社の生産見込みを仕入れ先と共有して部材を作りだめさせるなどして、事業への影響を最小限に抑えられたと思う」
「『これしかない』という調達では、何らかのリスクが顕在化した際に立ちゆかなくなることを実感した。平時の今も柔軟性を大事にしている」
―足元では物流の「2024年問題」への対応が急務です。
「サプライチェーン(供給網)全体でトラック本数を削減する必要がある。ある家電メーカーに納入するファンモーターで、コンテナの積載率を高める取り組みを始めた。従来は平積みだったのを、パレットを縦に積み重ねる段積みに変え、積載率を約2倍に高めてトラック本数を減らした。輸送手段の切り替えも進めている。一例がスマートフォンなどの充電に使うアダプター。当社の千葉工場から、北海道にある顧客の拠点までトラックで運んでいたのを2023年6月、鉄道輸送に切り替えた。国内に多くの店舗を持つ異業種企業との連携も一部で始めた。店舗納入後の空トラックに近くの当社工場に寄ってもらい港などに製品を届けてもらう取り組みを23年9月から行っている」
―25年3月期の調達面の課題は。
「安定調達を確保しつつ、部材調達費を前期比で数%削減する目標を推進中だ。規模のメリットを最大限に生かし、購入量が多い電子部品や半導体などのコストをコロナ禍以前の水準に戻したい」
(2024/4/11 12:00)
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