(2024/4/11 12:00)
ガスや水道のメーターなどの樹脂成形部品を製造しているタツミ化成は、2023年8月に新工場「柊山工場」(同)を稼働させた。本社工場の機能が停止した際のバックアップが目的だ。インフラを支える製品作りを担う企業として、非常時でもサプライチェーン(供給網)をつなぐ仕組み作りに余念がない。
工場新設のきっかけは、技能実習生の寮で生じた新型コロナウイルスの集団感染だった。これにより本社工場の一部の部品の生産停止を余儀なくされた。在庫を多めに確保していたため、出荷は継続できたものの、この出来事は「ライフライン関係の部品が多く、何があっても供給の義務がある」(山崎宏文社長)同社にバックアップ体制強化の必要性を痛感させた。
柊山工場は本社から車で10分程度の場所にあり、2階建てで延べ床面積は約715平方メートル。小型から中型の射出成形機4台などの生産設備を置く。
平常時は段取りの手間が少ない量産部品の生産を担う。生産能力は本社工場の10分の1程度だが、事務所や応接室などを備え、本社が稼働できなくなった場合は、その機能を肩代わりできるようにした。立地場所も浸水しにくい高台を選定し、水害への耐性を持たせている。
これにより、感染症や地震発生時に本社の機能が停止しても、稼働可能な人員や設備を新工場に移して応急対応がしやすくなった。将来は緊急時に成形機を用いた樹脂成形だけでなく、産業用ロボットによる後加工も可能にするように本社のロボットを容易に移設する体制も整え、柊山工場のバックアップ機能を高める考えだ。
【会社概要】▽所在地=愛知県大府市横根町新江15の12▽代表者=山崎宏文氏▽事業内容=プラスチック部品の製造
(2024/4/11 12:00)
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