(2024/4/12 05:00)
「日中韓」首脳会談が5月下旬、「日米韓」首脳会談が7月開催の方向で調整されている。「日米韓」は対中国を念頭に、国際秩序の維持に向けた結束をさらに強化したい。一方、「日中韓」は未来志向で実務的な協力関係を模索し、安全保障をめぐる東アジアの緊張を緩和させる必要がある。両首脳会談を実現し、日米韓は対中国で「対立と協力」の均衡を維持することで、不測の事態を回避したい。
10日に開かれた日米首脳会談は、日米同盟を新たな次元に深化させ、中国は反発を強めている。自衛隊と米軍の指揮統制の連携を強化するほか、日本は防衛装備品で米国との共同開発や対米輸出に踏み込む。日本は米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」への技術協力も検討する。中国が覇権主義的な動きを強める限り、日米による同盟深化は適切な判断だ。
中国の威圧を受けているフィリピンを交えた11日の日米比首脳会談は、日米同盟を軸に、多国間協力の枠組みづくりに動くものだ。自由で開かれた国際秩序の維持に向け、東南アジア諸国連合(ASEAN)や太平洋島しょ国などで“仲間づくり”を加速することが求められる。
7月に開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議には日韓首脳も招かれる方向で、日米韓首脳会談の開催も調整されている。10日投開票の韓国総選挙では野党が過半数を占め、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の求心力の低下が、改善した日韓関係に影響を及ぼさないか心配だ。韓国は超党派で日韓関係を維持し、日米韓一体で東アジアの安全保障維持の責務を担ってもらいたい。
日中韓の首脳会談は、日米韓に先立つ5月26、27日を軸に調整されている。実現すれば約4年半ぶりの開催になる。5月20日には台湾の新総統に民進党の頼清徳氏が就任し、中国による台湾への威圧が強まることも想定される。2023年11月の日中韓外相会談では安全保障や貿易・経済など6分野で協力を進めることで一致しており、今回の首脳会談でも3カ国が地域の安全・発展に積極的な役割を果たすことを確認してほしい。
(2024/4/12 05:00)
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