インタビュー/ジャスト専務・今野高志氏 メッキの魅力、表現・発信

(2024/5/7 12:00)

各種メッキ加工を手がけるジャスト(山形県上山市)。ダイヤモンド電着医療器具など、一般的なメッキとは違う市場開拓にも先鞭(せんべん)を付けてきた。2015年に「現代の名工」に選ばれた同社の今野高志専務にメッキの可能性を聞いた。

  • 「めっきのかけら」を手にする今野氏

―これまでメッキ技術の新分野を開拓してきました。その原動力は何でしょうか。

「メッキ技術の用途開発の一環として、ダイヤモンド電着医療器具などダイヤモンドとメッキの複合技術を確立し、メッキの可能性に挑戦してきた。試行錯誤の繰り返しで、そのつど壁を乗り越えてきた。メッキの魅力をいかに表現し、発信できるか。深い学びから得る自身の気付きが大切だと感じている」

―現在熱中している取り組みは。

「製品にメッキを施す際に固定したりする治具などにもメッキが成長する。一般的にはそこで成長したメッキは取り除き、廃棄することになるのだが、これを自社製品として新たにアクセサリーなどへの再利用に取り組んでいる。一つとして同じ形状のモノはなく『めっきのかけら』と呼んでいる。メッキの魅力を新たに発信する試みになる」

―メッキの可能性はまだ広がりますか。

「めっきのかけらは、形状の面白さなどすべてメッキの魅力と考える。メッキの美しさを体感できる点で、人材育成にもつながる。自社で生まれる、めっきのかけらを手にしてメッキの魅力をじかに感じ、自分なりの気付きを成長させるようになってほしい。そうした思いもある。メッキの可能性はまだまだ広がる」

―後進に伝えたいことは。

「メッキ技術を用いる中で、なぜそうなるのか。さまざまな角度から検証してみる。未知の世界であれば、それを楽しく冒険する気持ちで仕事に向かってほしい。失敗を繰り返す中から、次の世界が見えてくる。深い学びが素晴らしい気付きにつながる」

―これからも挑戦は続きそうです。

「『めっきのちから』を世に届けていく姿勢は変わらない。これからもメッキを通じて感動と喜びを世の中に発信していく。そのために、まだまだ学ぶことはたくさんある。さまざまな連携の中で挑戦を続けていきたい」

(2024/5/7 12:00)

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