2000℃まで昇温可能な赤外線カーボンランプヒーター メトロ電気工業

(2024/5/8 12:00)

幅広い領域で採用

  • オレンジヒートは産業用加熱機械器具から、こたつヒーターユニット、家電まで幅広い用途で採用されている

こたつ用ヒーターユニットが主力のメトロ電気工業(愛知県安城市、川合誠治社長)。現在注力しているのは電化と省エネルギーを実現する次世代の赤外線カーボンランプヒーターだ。創業から2019年まで100年以上にわたり白熱電球を製造してきた同社。白熱電球の明かりとしての役割が発光ダイオード(LED)などに置き換わった現代で、新たに熱源としての可能性を見いだした。

白熱電球の製造で培った管球製造技術、化学・真空工学の知識を駆使し開発した「オレンジヒート」は、2000度C程度まで昇温可能な加熱用カーボンランプ。独自技術でフィラメントに加工した放射率85%以上の高純度炭素繊維の薄板と不活性ガスを石英ガラス管に封入した構造で、応答性が良く電源投入時に突入電流が流れない。

一般的なランプヒーターの最高エネルギー密度は150キロワット毎平方メートル程度だが、オレンジヒートは1200キロワット毎平方メートルと高いため、従来のランプヒーターでは電化できなかった熱領域の電化も可能となる。

高出力の実現により、産業用分野ではガスバーナー方式だった金型加熱器を電化するなど、脱炭素社会の実現に向けてガス加熱の代替としての採用が進む。金型加熱器の電化事例ではガスに比べ昇温時間を大幅に短縮。温度分布のムラがなくなり製品の質が向上したほか、輻射熱が少ないため夏場の熱気が抑制され作業環境も改善した。

また、同社が得意とするこたつヒーターユニットでも、省エネラインアップとしてオレンジヒートを使用した製品を展開。民生用途では暖房機器やトースターなどでもオレンジヒートを搭載した製品がある。

ほかにも業務用分野で飲食店の加熱調理機器といった身近なものから、宇宙開発関連や蓄電池、燃料電池などの先端製品や先端材料分野まで、幅広い領域で熱源として採用されている。

(2024/5/8 12:00)

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