インタビュー/新日本製薬執行役員 商品戦略本部管掌 塘口一光(ともぐち・かずみつ)氏

(2024/7/25 12:00)

原料供給情報を早期入手 品質を担保、品切れ防ぐ

―原料調達の特徴は。

「当社は化粧品、健康食品、医薬品の企画開発および通信販売業で、ファブレスならではの特徴がある。OEM(相手先ブランド)供給を受ける、国内トップメーカーを含む30社以上と綿密に連携する。商品を生産する約40の工場は定期的に監査する。厳しい自社基準の品質保証と安全管理を徹底し、一定の品質の担保を図る」

―2023年6月に策定した調達方針の内容は。

「コンプライアンス(法令順守)や公正な取引、人権・労働条件、品質・安全とお客さま満足、環境への配慮などがある。具体的なガイドラインは9月に策定する。まずOEM先から、続いて配送会社、資材メーカーに調達方針を説明する」

―サプライチェーン(供給網)に対する取り組みは。

「23年11月に商品戦略本部が掲げたパーパス(存在意義)は、知恵と工夫の『新しい』で笑顔あふれるサプライチェーンをつくる。このパーパスに基づく取り組みで強靱(きょうじん)なサプライチェーンを構築し、お客さま、環境、投資家への責任を果たす。例えば、お客さまに対して顧客満足度指数を設定。当社の商品やサービスで笑顔になれたか、会報誌のアンケートを活用してフィードバックし改善につなげる」

  • 主力商品の美容液ジェルシリーズ(手前中央)は50種類以上の原料を使う(新日本製薬提供)

―調達の課題への対策は。

「供給が最重要課題だ。商品によっては100種類以上の原料を使う。原材料の品切れはお客さまに迷惑をかける。OEM先、原料メーカーと連携して情報を早めに入手・共有する。供給が不安な原料は極力採用しない」

―サプライチェーン全体を考えた商品設計に力を入れています。

「商品開発段階で配送や薬機法ガイドラインに基づいた広告表記など最終的な出口を考える。配送では緩衝材の変更やメール便などでコンパクト化を推進する。全商品の出荷件数は月間約50万件。このうちポストに投函可能なメール便の比率は3年前の約10倍の10万件以上に増加した。物流の取り組みは二酸化炭素(CO2)や配送コストの削減につなげる」

(2024/7/25 12:00)

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