住化、サウジ合弁株を一部売却 比率15%に

(2024/8/7 17:00)

  • ペトロ・ラービグのプラント

住友化学は7日、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコとの合弁会社、ペトロ・ラービグの株式の一部を売却すると発表した。2026年3月期に持ち分の約22・5%をアラムコに売却し、住友化学のラービグへの出資比率は15%に下がる見込み。売却収入分はラービグに拠出し、債権放棄も実施する。住友化学の石油化学事業は市況低迷などで赤字となっており、ラービグの株式売却や再建を通じて業績改善につなげる。

現在、住友化学とアラムコのラービグの持ち分比率は37・5%ずつで、アラムコへの売却後は住友化学が15%、アラムコが60%に変わる予定。住友化学は株式売却で得る7億200万ドル(約1000億円)を、アラムコも同額をラービグに拠出する。

住友化学とアラムコはそれぞれ7億5000万ドル、合計15億ドルの債権放棄も実施する。一連の施策でラービグの財務改善につなげる。住友化学は24年7―9月期連結決算で、債権放棄と持ち分法による投資利益の差し引きで税引き前損益として約270億円の損失を計上する見込み。

ラービグは石油精製や石化市況の低迷で赤字が拡大。住友化学の石化を担うエッセンシャルケミカルズ部門はラービグの不振が響き、24年4―6月期のコア営業損益が207億円の赤字(前年同期は210億円の赤字)だった。住友化学とアラムコは共同タスクフォース(特別作業班)を結成し、短期集中で対策を議論していた。

(2024/8/7 17:00)

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