(2024/8/14 12:00)
ドローン用にも ニーズに応える
ツクバリカセイキ(茨城県つくば市、浜和伸社長)は、空気や水の流速を測るピトー管の設計と組み立て・検査、関連システムを開発する。航空宇宙分野をはじめ、自動車や発電用タービンの研究開発など幅広く活躍する。近年は飛行ロボット(ドローン)用にも引き合いがある。浜社長は「ピトー管の強みを生かし、社会に貢献する」と説明する。
ピトー管は先端を流向の反対に置き、観測地点の静圧と、風や水から受ける圧力の差から流速を導く。機構の中核部に電子部品を使わないため、他の流速計測方法と比べて経年変化が少ない。航空機ではピトー管を機首部に取り付け、大気との相対速度を測ることで、安定飛行に必要な速度を確認する。
温冷機構やピトー管から取得したデータ処理システムなど顧客のニーズに応えた設計、校正が同社の強み。使用場所によって、管の本数や形状なども工夫し、より正確な計測ができるようにする。
検査工程でもこだわりを見せる。国家計量標準となっている産業技術総合研究所(産総研)の風洞に合わせた参照用ピトー管を持ち、そのデータを基準に校正する。
ピトー管の機構を応用したピトーヨーメーターも手がける。同一方向に複数孔を配置し、それぞれの孔の圧力差から流向を読む。ヨーメーター本体の形状も用途に応じた製作が可能。ピトーヨーメーター流向流速計測システムでは、あらかじめ校正したヨーメーターと測定ソフトウエアを組み合わせたシステム提案もできる。
現在もさまざまな業界から安定した引き合いがある。強みのシステム開発などを生かして売上高拡大を目指す。近年ドローン業界からは航空機と同じく対気速度測定の問い合わせがあるという。「昔からの機構だが、信頼性の面でピトー管の需要はなくならない」と浜社長は展望を語る。
同社はピトー管以外にも、流量を測る測定器や風洞も取り扱う。流体力学を基本にハードとソフト両面で、さまざまなモノづくりを支える。
(2024/8/14 12:00)
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