(2024/8/16 05:00)
政府主催の全国戦没者追悼式が15日、日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。参列した遺族の半数近くが戦後生まれで占め、戦争を直接知る世代が減少している。追悼式が戦争の惨禍を次代に伝える、重要な役割を担い続ける。
天皇・皇后両陛下をはじめ、岸田文雄首相ら三権の長、遺族ら約4000人が参列し、戦没者約310万人を悼んだ。コロナ禍下の2022年の参列者は約1000人だったが、ほぼ通常に戻り、5年ぶりに国歌も斉唱された。
同日、韓国では、日本の植民地支配からの解放を祝う光復節を迎えた。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は演説で、対日関係について直接言及しなかった。日韓関係が改善していることが暗に示された。
25年に日韓国交正常化60周年を迎える。岸田首相は、自民党総裁選への不出馬を表明した14日の会見で「日韓関係の正常化を一層確かなものにしなければならない」と語り、次期内閣に一段の関係強化を託した。
岸田首相は追悼式の式辞では「歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました」「戦争の惨禍を二度と繰り返さない」と語った。かつて併合した隣国にも思いを致し、良好な関係を紡いでいきたい。
(2024/8/16 05:00)