事業継続力強化計画認定 オーケープレス、高台に工場 供給責任果たす

(2024/8/22 12:00)

  • プレス機を設置する床面の基礎のコンクリートは、標準的な深さの1.3倍以上に打設した

自動車部品などのプレス加工を手がけるオーケープレスは、2021年の新工場稼働を機に中小企業向けの事業継続計画(BCP)である経済産業省の「事業継続力強化計画」の認定を受けている。BCPは特に重視している経営課題で、太田賢吾社長の経験が関係している。

太田社長は後継者として同社を事業承継する以前、自動車部品メーカーで購買業務に携わった。多くのサプライヤーとの商談で、各社の個性や強みを感じたという。では、発注はどのように決まっていたのか。それには少なからず「『確実に部品を供給できるか』という観点が影響していた」(太田社長)。自身が経営者としてBCPを重視するのは必然だった。

17年の社長就任直後に検討したのは災害に強い新工場の建設だった。当時の工場は老朽化し、災害が起きた場合には生産に支障が出る可能性が高かった。現在の浜松市中央区は、高台でもあり津波の心配はない。揺れにくく、液状化しにくい強い地盤の土地を確保できたため、耐震性を重視した工場を建設した。プレス機を設置する床面の基礎のコンクリートは、標準的な深さの1・3倍以上という約3メートルまで打設した。

BCP重視の経営方針が浸透し、就任直後は5社だった取引先は16社に増えた。新規の商談で「名刺に印刷してある『事業継続力強化計画』のマークに触れる担当者も増えている」(同)。

供給責任を着実に果たすための努力は続く。近隣の協力会社の経営者とはどちらかの工場の稼働が停止した際に、相互に生産を代行する意向を確認し合っている。

(2024/8/22 12:00)

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