名大、3次元振動モーター開発 VRなど力触覚提示向け提案

名古屋大学の部矢明准教授と内藤出大学院生、井上剛志教授らは、３次元振動モーター「クロスリアクタ＝写真」を開発した。振動子に三つのコイルを巻いて振動させる。振動中心が３方向で一致するため合成力が発生しない。ゲームコントローラーや仮想現実（ＶＲ）などの力触覚提示に提案していく。

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中心の振動子にＸＹＺ方向のコイルを重ねて巻き、周囲６面に配置した永久磁石と反発させて振動を発生させる。コイルの中心が三つとも一致する。従来は振動モーターを三つ組み合わせて３方向の振動を提示していた。軸がずれるため、ねじれ方向に力が発生する問題があった。

振動子を一つに集約できるため部品点数が少なく、小型化しやすい。試作機は１辺が２０ミリメートルの立方体で重量は３４・５グラムに収まった。コイルの巻き数を増やせるため３方向にそれぞれ０・５ニュートン以上の力を提示できる。

振動の有無だけでなく、立体的な方向を提示できる。拡張現実（ＡＲ）の道案内システムやスポーツゲームの打撃方向提示などへの応用が期待される。