(2024/8/22 17:00)
日本製鉄とJFEスチールは22日、豪州クイーンズランド州にある「ブラックウォーター炭鉱」の権益を計30%取得することで、豪ホワイトヘイブン(ニューサウスウェールズ州)と合意したと発表した。取得額は計約1620億円。同炭鉱は不純物の少ない高品位な製鉄用原料炭を年間1010万トン生産する。脱炭素を背景に炭鉱の新規開発などが減少する中、原料炭の長期安定確保につなげる。
日鉄が20%、JFEが10%を出資する。日鉄の取得額は7億2000万ドル(約1080億円)、JFEは3億6000万ドル(約540億円)。出資は2025年1ー3月をめどに行う見通し。両社はブラックウォーター炭鉱の事業運営の意思決定に参画するとともに、ホワイトヘイブンと原料炭を長期調達できるオフテイク権利契約を結ぶ。
日鉄は今回の権益取得によりブラックウォーター炭鉱が産出し、二酸化炭素(CO2)の削減に寄与する高品位の原料炭を安定確保する。脱炭素の流れを受けた資源開発投資の減少で、鋼材の市況変動とは別に原燃料価格が高止まりするリスクも考慮した。石炭調達の自社鉱山比率は約35%(23年は約20%)まで高まる。永井竜一常務執行役員は今後の新たな権益取得について「優良な権益があれば検討する」と述べた。
JFEはブラックウォーター炭鉱の世界最大の顧客として長年調達を続けてきた。インドや東南アジアで高炉による粗鋼生産量が増加し、コークスの需要増が想定される中、原料炭の調達リスクが高まると判断。権益の一部取得を決めた。
鉄鋼業界はCO2排出量で国内産業部門の4割を占め、CO2の排出量を低減できる製造プロセスが求められている。
(2024/8/22 17:00)
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