(2024/8/23 17:00)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2030年にも探査機・衛星を追跡する地上局を新設する。内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)の34メートルアンテナ(内之浦局)の老朽化に伴い、後継機を国内に建設する。場所は検討中だが、4月から定常運用に移行した臼田宇宙空間観測所(長野県佐久市)の54メートルアンテナ(美笹局)から1000キロメートル以上離れた場所が候補。深宇宙探査などを支える仕組みを国内に構築し、日本の宇宙開発の促進につなげる。
内之浦局の34メートルアンテナは1998年に完成し、25年以上にわたって探査機の運用を支えてきた。一方で、老朽化が進んでいることで後継機の建設が検討されている。建設候補地には海外に作るという案もあったが、日本に設置することで探査機の運用を日本時間で行えるためスムーズに運用できる。太平洋西側で北半球に地上局を持つのが日本のみであることも重要で、国際協力の観点でも国内設置がのぞまれた。
新局の設置場所は検討中。ただアンテナ局での運用は天候に左右され、雨天では雨に電波が吸収されてしまうことから運用には向かない。そのため美笹局周辺と天候が異なる地域になるであろう1000キロメートル以上離れた場所を候補としており、確実なバックアップ体制を作る。
JAXAが所有する深宇宙探査などに活用する追跡地上局は、内之浦局と臼田宇宙空間観測所にある64メートルアンテナ(臼田局)、臼田局の後継である美笹局の3局が主に使われている。将来的に新局と美笹局の2局体制になるが、2020年代後半に日本の探査機が数多く打ち上がるため、30年までは内之浦局と臼田局、美笹局の3局体制とする。30年以降には内之浦局と臼田局は停止になる可能性は高いが、現段階で取り壊しはせずに実験局として活用する考えだという。
(2024/8/23 17:00)
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