インタビュー/タチエス執行役員調達グループ長・森本裕之氏 調達先と信頼関係強め互いに成長

(2024/8/29 12:00)

―自動車用シート構成部品は200以上に及びますが調達の体制づくりは。

「国内に取引先が約200社ある。国内体制はフレームなどの鋼材部品、機能部品、スポンジなどの軟材部品、カバー部品といった四つのコモディティー(商品)に分けて対応している。部品調達先は海外の取引先も含まれる。また国内の調達グループ全体としては、2023年度から物流を全面的に見て戦略を立てるセクションと、取引先の困りごとなどについて専門的にコミュニケーションを図るセクションを追加した」

―中期経営計画では電気自動車(EV)シフトや高機能化への対応を掲げています。

「従来のシートにはない付加価値を模索している。既存の取引先だけでなく、これまで関わりのなかった企業からの売り込みや新規取引先などからの情報を窓口となって収集し、開発担当に届けるのが調達の大きな役割だ。新しいものに関しては設計・生産・製造の三つの技術を加味して話を進める」

―調達で重要視していることは。

「安全・安心・安定の三つだ。取引先の現場に出向くなど、取引先と当社の調達双方のコミュニケーションの強化を図り、一層の信頼関係を構築することで互いの成長に発展させる。また、いかに強いサプライチェーン(供給網)を構築するかは重要な課題だ。サプライチェーンマネジメントを見直す段階に来ており、活動を進めている」

  • 自動車用シートはフレームなど200以上の部品で構成される

―このほか供給網強化で重視することは。

「環境と人権だ。当社だけでなく取引先の末端まで浸透させる必要がある。今後のサプライヤー評価項目を見直し、共に取り組んでいく。環境や人権まで踏まえてこそ価値観の合う会社になる」

―物流問題の改善に向けた対応は。

「持続可能かつ競争力がある物流体制を構築する上で、物流のデジタル変革(DX)を検討している。荷量情報を活用した積載プランニングや最適な輸送ルートの探索など、継続的な二酸化炭素(CO2)削減に向けて活動する計画だ」

(2024/8/29 12:00)

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