(2024/8/29 12:00)
愛知県豊橋市や同豊川市など東海地方に複数の工場を構えるトピー工業。2011年の東日本大震災を機に大規模地震や風水害などを想定した初動対応力を高め、リスクを最小限に抑える取り組みを強化している。危機管理で重要なことは「想像と準備」(立花修一専務)との認識を社内に浸透させるべく、関連投資や従業員の訓練などハードとソフト両面で非常時に備える。
豊橋製造所(愛知県豊橋市)では、15年に量産を開始した製鋼工場で津波や高潮対策を実施。重要設備が平均海面より5メートル高い位置になるように立地や床面を高くした。
同社の事業継続計画(BCP)は「非常時でも28日以内に復旧することを決めている」(同)。これを踏まえ、17年に同製造所の非常用発電機を更新した際には、従来比31倍の930時間稼働可能な発電機に交換。主要工場の照明やクレーンなどの稼働に必要なエネルギーを確保した。
23年に大雨で同製造所の一部の工場が浸水したため、24年に水はけを良くして被害を抑える設備投資を実施した。
同社では社内組織の「中央環境防災委員会」が環境課題や防災関連のリスク管理を担当。各拠点に委員を配置し、リスク管理に関する情報共有やグループ会社への展開などを行う。毎年の訓練や、石井博美社長による定期拠点訪問などの機会も活用し、不測の事態に対する初動の大切さを繰り返し説いている。
立花専務は「デジタル変革(DX)を用いてグループ会社まで含めた緊急時の迅速な状況把握なども進めたい」と説明する。今後も改善を重ねる方針だ。
(2024/8/29 12:00)
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