三井物産、EV向け充放電システムを国内投入 事業所向けに展開

(2024/9/3 17:00)

  • ウィラーエクスプレスの東京本社に導入したEV向け充放電システム

 三井物産は3日、独ザ・モビリティー・ハウス(TMH)が開発する電気自動車(EV)向け充放電システムの国内販売を開始したと発表した。電気料金の安い時間帯に自動充電する一方、電力需給の逼迫(ひっぱく)時には電力系統に自動で売電する機種を事業所向けに展開する。企業のEV利用の低コスト化を支援するとともに、再生可能エネルギーの普及に伴い不安定化する電力供給を補完し、脱炭素推進につなげる。

 三井物産の出資先のTMHは、バス会社や空港など世界2000カ所以上のEVステーションに充電システムの提供実績がある。4月からはスイス重電大手ABB製の充電器を使ったシステムを、バス運行会社WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス、東京都江東区)の東京本社(同)で乗用車向けに試験展開している。

 TMHのシステムは電気料金の安い夜間などに自動で充電しつつ、太陽光の発電量が低下して電力需給が逼迫する夕方などに自動で売電して対価を得られる。EVの充放電を最適化して企業のコスト低減に寄与するほか、発電量が天候に左右されやすい再生エネの普及に伴い増加する電力系統の負荷を低減する。

 三井物産は今後、EVを導入する物流会社向けなどに同システムを展開して実績を積み上げつつ、将来は長距離輸送トラックや大型バスの運行会社への拡販を狙う。

 大手商社では脱炭素社会への移行に向けてEVバッテリーを有効利用する事業の開発が活発化している。三菱商事とホンダは共同出資会社を設立し、バッテリーの充放電の最適化のほか中古品を系統用蓄電池として再使用する事業に取り組む。住友商事は日産自動車と共同回収した中古EVバッテリーなどを使った蓄電所を北海道や熊本市で完工した。

(2024/9/3 17:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン