(2024/9/6 05:00)
日本企業にジョブ型人事は浸透するか。内閣官房、経済産業省、厚生労働省は「ジョブ型人事指針」を公表した。少子高齢化の中で労働力不足は深刻さを増す。日本企業の競争力の強化に向け、労働市場の改革を促したい。
現状は上場企業でも採用はままならない。「新卒、中途とも員数確保に四苦八苦で、年齢や性別など望むべくもない」という声を、至る所で耳にする。そうした中で広くジョブ型が進められると、自社から人材を引き抜かれるばかりでは、との危惧も聞かれる。
だからこそ、ジョブ型への移行を進めるべきなのだろう。指針には20社の導入事例が記されている。導入のきっかけは、外資系への人材流出という企業がある。対抗するには自社もジョブ型に転換する必要があったという。
事業構造の転換やグローバル化を目的とする企業もある。実際、メンバーシップ型で育ってきた社員ばかりでは変革には限界がある。自社に足りないスキルを持った人材を集めることで変革は早まる。
ただ事例は著名な大企業ばかり。ジョブ型人事の導入は、特に中小企業にはハードルが高い。秀でた技術・製品・サービスを持つ企業などには、行政の支援も併せて行ってほしい。
(2024/9/6 05:00)