産業春秋/「デフレ脱却宣言」いつ?

(2024/9/5 05:00)

岸田文雄政権で最後となる経済財政諮問会議が3日、開かれた。「デフレ脱却宣言」が出されることはなく、次期総理・総裁に引き継がれることになった。足元の日本経済はデフレではない。だがデフレに戻る可能性を拭えずにいる。

内閣府によると、4―6月期の需給ギャップはマイナス0・6%で、年換算で約3兆円の需要不足に陥っている。需要が供給力を下回ると、物価は下がりやすい。プラスへの転換が「宣言」を出す条件の一つとされる。

1―3月期の需給ギャップはマイナス1・2%で約7兆円の需要不足だった。自動車の品質不正による出荷停止が個人消費や設備投資に大きく影響していた。4―6月期はこれと比べれば改善だが、4四半期連続でのマイナスは気がかりだ。

厚生労働省が5日に発表する7月の毎月勤労統計調査を注視したい。6月は27カ月ぶりに前年同月比で増加に転じたが、賞与が前倒しで支給されたことが影響していた。7月に増加が継続すれば「宣言」も視野に入るのでは。

2024年度は春季労使交渉(春闘)に続き、最低賃金も歴史的な増額となった。ただ中小企業の支払い能力が懸念される。親企業は価格転嫁に協力し、「宣言」の環境を整えたい。

(2024/9/5 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン