木村情報技術、“働きやすい会社”へ制度 不妊治療 性別なく休暇 eスポーツでPDCA研修

(2024/9/10 12:00)

木村情報技術(佐賀市、木村隆夫社長)は、メタバース(仮想空間)や人工知能(AI)を活用した事業を展開する。社員の働きやすさのため、性別を問わず利用できる不妊治療休暇制度を設けた。またeスポーツを用いた研修で世代を超えた交流を生み、PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクル習得を促す。ほかにもプロeスポーツ選手やアイドルがスムーズに第二の人生を歩めるようなキャリアプラン構築を支援しようとしている。

  • 社員約400人のうち4割が女性。時短勤務制度なども導入している

木村情報技術の不妊治療休暇制度は、上長に理由を伝えず利用できる。通常の休暇申請と同様の手続きの後、本人が労務担当者に報告することでプライバシーを守る。制度は女性だけでなく男性も治療や妻の付き添いなどを目的に利用できる。

同制度導入のきっかけは社員の発案だった。同社では思いついたアイデアなどを短文で共有できる自社製アプリケーション(応用ソフト)「inspi」を利用。新事業開発や業務効率改善に向けたアイデアを共有して、ブラッシュアップしている。

2023年の不妊治療休暇制度スタート後は月1、2人程度のペースで利用者がおり、社員からも好評という。同制度を含めた取り組みが評価され、厚生労働省が不妊治療と仕事を両立する職場の企業に与える認定「くるみんプラス」を佐賀県の企業で初めて取得した。

eスポーツを利用した研修はPDCAサイクルの技術習得に向けて実施している。さまざまな世代の壁を超えたコミュニケーションの活性化にも役立てる。

  • eスポーツを研修に導入することで、さまざまな世代間の交流も活発に

同社は「eスポーツは状況が刻一刻と変化するため、常にPDCAサイクルをアップデートしていく必要がある」(人事総務部)とし、研修ツールとしてのeスポーツに可能性を見いだす。

eスポーツは座学と併用することで、実践を通じた知識習得を目指す。ゲームに慣れていないベテラン社員に若手が操作や仕組みを教える場面もあり、コミュニケーションツールとしての機能にも期待する。研修を受けた社員からは「楽しみながら受講できた」と前向きな声が上がった。

同社はプロeスポーツチームのスポンサーでもあり、若者の選手引退後のキャリアプラン支援にも意欲を示す。24年3月には東京の芸能プロダクション会社と共同で、アイドルやeスポーツ選手が引退後もスムーズに第二の人生を歩めるような仕組みを構築する取り組みのための資本業務提携を結んだ。半導体やメタバース、起業、金融など幅広い分野での教育基盤の構築を試みようとしている。

(2024/9/10 12:00)

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