(2024/9/25 17:00)
国士舘大学の神野誠教授と野々山良介特別研究員らは、PCR検査の前処理を自動化した。検体や試薬のピペッティングや撹拌など一連の作業を無人する。人が並行して作業することも可能。仕事量に応じて無人作業や手作業を選べる。地方衛生研究所や保健所での利用を想定し、感染症のパンデミック(世界的大流行)への備えとして提案する。
遠心分離機などの専用装置と汎用の分注装置、卓上ロボットアームを組み合わせてシステムを構成した。マイクロチューブの開閉作業やピペットによる分注作業、液滴の遠心作業など一連の処理を自動化した。地方衛生研究所の実作業に合わせて情報管理システムを構築した。検体ごとの状況をリアルタイムで確認できる。
撹拌機や遠心機は人が使っている装置をロボット用に位置決めできるようにした。それぞれ単独で動かせるため、人手の作業とロボットの作業を並行して進められる。システム全体で畳1畳分に収めた。専用機だが安全キャビネットの中に設置することも可能。作業者が検体に暴露されるリスクを抑えられる。
地域の保健所などの業務量に合わせて小規模に自動化すると人手作業よりは効率が落ちるが、地域ではリスクや業務量がさまざまな感染症に対応する必要がある。自動装置を日々使うことでリスクや負荷に応じて無人作業と手作業を選べるようになる。
川崎市健康安全研究所と三重病院、山口県環境保健センター、枚方市保健所、H.U.グループ中央研究所(東京都あきる野市)との共同研究。科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業で実施した。(電子版に動画)
(2024/9/25 17:00)
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