(2024/9/25 05:00)
駅などで立ち止まる視覚障がい者に「何かお手伝いしましょうか?」と言えず通り過ぎてしまうことがある。何とかしたいと、視覚・聴覚障がいを入学の条件とする国立大学・筑波技術大学で、教職員を対象とする研修の一部に加えてもらった。
NPO法人「視覚障がい者支援しろがめ」の演習に参加した。こちらの腕や肩につかまってもらうよう、視覚障がい者をリードするのが予想以上に難しいことが分かった。
「障がい者の腕をつかんではいけない」「待っていてもらう時は、不安を抑えるため、つかまるポールや壁まで誘導する」など、知っているかどうかでかなり違う。
ショックだったのは視覚障がい者が「すみませんが」と声をかける相手を探しにくいことに、気付かなかったことだ。断られたら恥ずかしい、などと健常者が声がけをためらっている場合ではないのだ。“基本の基”を知ったことで、これからは、さほど緊張せずに行動を起こせそうだ。
多様性を尊重する社会こそ共助が求められる。手助けの方法を知らずに視覚障がい者の前をスルーすることがないよう、多くの人に基本の基を知ってもらいたい。社会をちょっと良くする意識を皆で共有していきたい。
(2024/9/25 05:00)