インタビュー/小林機械製作所社長・川瀬恵嗣氏 人材育成・研究開発が生き延びる秘訣

(2024/9/25 12:00)

小林機械製作所(三重県四日市市、川瀬恵嗣社長)は、コンピューター数値制御(CNC)複合工具研削盤を中心とした専用工作機械を主力とする。他にも多種多様な金型や省力・省人化装置の設計・製作を手がける。それを支えるのが優秀な人材だ。「モノ作りは人づくり」の考えを最重要視し育成に力を入れる。川瀬社長に取り組みを聞いた。

―多くの資格取得者が活躍しています。

「技術優先、自己啓発の精神にのっとり、技能者の育成に努めている。重複取得まで含めると技能士資格取得者は142人。社員の努力に報いるため、職種や等級に合わせて手当を付けている。職業訓練指導員の有資格者は41人で、いずれも職場のリーダーとして活躍中だ」

「当社には機械加工・仕上げ部門で高度熟練技能者の認定を受けた社員が2人いた。年齢が70を超えていたこともあり既に第一線を退いたが、1人は現在もパートタイム社員として会社に来ている。豊富な経験を生かし現場の困りごとなど相談に乗ってくれている」

―初級保全教育訓練を実施しています。

「作業者が設備の基本を理解し、品質や設備に関して異常を感じ取る能力を身に付けるために行っている。機械保全技能士である自社インストラクターが機械保全のみならず金型、機械加工、機械検査、安全衛生などの業務知識について講義している。自分の職場では体験できない作業を行える上、他部門の社員同士が交流できることから良い取り組みだと考えている」

―経営方針でも人材育成を重視する姿勢を打ち出しています。

「確かに当社の経営方針に『創造性豊かな人材を育成し、社会がより豊かになるよう貢献する』とある。それだけでなく『独創的で信頼性の高い技術により、魅力ある商品を送り出す』と続く。これが示す通り、人材育成に加え、自社製品の研究開発が中小企業の生き延びる秘訣(ひけつ)だと考えている。『いいものを創れ』が創業以来のモットーであり、研究開発型の企業として新しい技術を積極的に開発しノウハウを蓄積してきた。この社風は今も引き継がれ、金型や専用工作機械の設計・製作に生かされている。また、新製品開発の原動力になっている」

(2024/9/25 12:00)

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