AI処理の消費電力を100分の1に TDKが素子開発

(2024/10/2 17:00)

 TDKは2日、人工知能(AI)の推論や学習の処理を低消費電力で行える素子「スピンメモリスタ」を開発したと発表した。AI処理に必要な消費電力を従来比100分の1に抑えられるという。センサーに内蔵するチップに載せて使うことを想定する。実用化に向けて東北大学などと連携し、2030年ごろの量産開始を目指す。

 メモリスタと呼ばれる脳のシナプスを模倣した素子と回路を用いて、AIを処理する過程を人の脳内の情報のやりとりに近づけることで消費電力を抑える。具体的には、従来の記録素子がデジタル記録に対し、今回開発したスピンメモリスタは脳と同じようにアナログで記録することで複雑な演算処理が低消費電力でできるという。ReRAM(抵抗変化メモリー)といった、ほかのメモリスタと比べデータを安定して保持できる。

 実用化に向け、フランスの原子力・代替エネルギー庁(CEA)や東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターと連携する。12インチウエハーを使用して量産品の開発を進める。佐藤茂樹最高技術責任者(CTO)は「まずは当社のビジネスの中で実績を積んでいく」と話した。

 開発したスピンメモリスタは、端末側でAIの処理をするエッジAIでの消費電力削減に貢献する。

(2024/10/2 17:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

集まれ設計1年生!はじめての締結設計

集まれ設計1年生!はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい高速道路の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい高速道路の本

3次元設計手順の課題解決と3DAモデル・DTPDによるものづくり現場活用

3次元設計手順の課題解決と3DAモデル・DTPDによるものづくり現場活用

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン