(2024/10/2 12:00)
製造マイスター、能力評価徹底
日本ペイント・サーフケミカルズ(東京都品川区、柘植建二社長)は、能力を総合評価し現場幹部に育てる技能職養成制度「製造マイスター」を2020年に本格導入した。人材を技能のみで評価してきた従来の制度から転換する。自らの職歴から製造マイスターを発案し、現場改革を実践する西本彰生産部長に聞いた。
―日本ペイント・サーフケミカルズの事業と、技能職の配置は。
「当社は日本ペイントホールディングス(HD)の事業子会社で、塗料の密着性や機能を高める金属表面処理剤を製造している。技能職は岡山工場(岡山県勝央町)と栃木工場(宇都宮市)に合わせて20人いる」
―製造マイスターとは、どのような制度ですか。
「対象は係長以下。業務遂行や理解・判断力の技能、製造の基礎や安全行動の規則順守、法令知識や資格など80項目で総合評価する。点数別に上位から『スーパー・プレミアム』『プレミアム』『スタンダード』『ベーシック』の称号を与える」
―総合評価に切り替えた理由は。
「技能を作業の基本や処理能力などで評価してきたが、知識や経験、技能を総合評価できなかった。そこで評価点を80項目に増やし、強みや弱みを可視化した。技能者は上位の称号に昇格できるよう年度ごとに目標を定め、実践する」
―技能職は指導力も学ぶのですか。
「自分自身、班長から係長、課長、部長と管理職を務めてきた。昇格の過程で必要と判断した職能を80項目に整理した。製造はデジタル化や人工知能(AI)がいずれ広がり、職能と管理能力の高い人材が必要になる。こうした将来を見据え、製造マイスターで目標設定や意欲向上を図る。的確に評価し一人ひとりも改善に努め、最終的には部課長に就ける人材を育てたい」
―製造は年功序列のイメージが強い職場ですが、変わりますか。
「技能職には各自の工程表で長所や短所に向き合い、目標に向け成長してもらう。1年ごとに能力評価するので、年功序列がない。プレミアムになれば社長表彰も受けられる。高齢者のスタンダードもいて、称号の降格もあり得る。変化を求められるが、理解してくれる人材は多い」
(2024/10/2 12:00)
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