ハーモニック、ヒト型ロボ向け減速機量産 戦略投資100億円

(2024/10/3 05:00)

  • ヒト型ロボットの関節に減速機を搭載することで、人間並みの器用な手の動きを再現できる

ハーモニック・ドライブ・システムズは新たな成長領域に見据えるヒューマノイドロボット市場の開拓に向け、約100億円の戦略投資を実施する。人手不足が深刻化する中、人に代わって作業可能なヒト型ロボットの普及を見込んでおり、同ロボット向け減速機の量産体制を2024年度から整備する。量産に向けた設備投資などに資金を投下し、26年度には同ロボット向け減速機で100億―200億円の売上高を目指す。

ヒューマノイドロボットに期待が高まるのは、従来のロボットと比べて減速機の搭載量が増えるためだ。従来ロボットの場合、1機6軸で、減速機が6個搭載される。一方、ヒューマノイドロボットは腕が2本あるため、減速機の搭載数が倍に増える。また人間と同様に滑らかな動作で器用に手を動かすには、関節にも腕の相当量の減速機を搭載する必要がある。このため軽さや薄さ、精度が求められているという。

ハーモニック・ドライブ・システムズは24―26年度の3カ年に275億円の設備投資を計画。このうち約3分の1をヒューマノイドロボット向けに配分する。

同ロボット向け減速機を量産するのは有明工場(長野県安曇野市)。約100億円の投資には機械設備の投入に加え、クロスローラーベアリングを生産するハーモニックプレシジョン(長野県松本市)への投資なども含まれる。有明工場は18年から操業を開始しており、新市場のための増産スペースを確保しながら同工場を中心に量産体制を整える。

売上高については今後3年で100億―200億円の積み上げが可能とし、潜在的市場もあるとみる。同社の24年3月期売上高は557億円で、売り上げ規模に対して大型投資になるが、相応の市場成長を想定し投資に踏み切る。

現在、主力の波動歯車減速機「ハーモニックドライブ」は有明工場と穂高工場(長野県安曇野市)で生産している。

(2024/10/3 05:00)

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