(2024/10/3 05:00)
石破茂首相は、岸田文雄前政権の経済政策を継承するという。岸田氏が掲げたのは“新しい資本主義”。成果が見えつつある政策もあれば、そうでないものもある。何を受け継ぎ、どのように石破色を出していくのだろうか。
「成長と分配」のスローガンの下に打ち出された新しい資本主義。岸田氏は、成長の果実を幅広く行き渡らせ、富の偏在を是正する「分配」政策を重視した。だが金融所得課税の強化策は株式市場に嫌気され、アベノミクスから抜け出せなかった経緯がある。
石破首相も岸田氏と同様、分配による格差是正を重視し、金融所得課税の強化や法人増税などが視野に入っているようだ。だがデフレ脱却の瀬戸際にあるだけに講じるのは難しい。
石破首相は1日の会見で「高付加価値創出型経済へ転換し、投資大国日本を実現したい」と語った。産業政策では半導体や人工知能(AI)など国内サプライチェーン(供給網)を強化するという。岸田路線の継承である。
石破色が濃いのが地方創生。企業の地方進出や生産拠点の国内回帰により雇用と所得の機会を創出すると訴える。地域経済をけん引する「中堅企業」にも目を配り、地方創生を成長の起爆剤としたい。
(2024/10/3 05:00)