(2024/9/27 05:00)
「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」―。JR東海の経営理念だ。屋台骨の東海道新幹線が10月1日に開業60周年を迎える。
人間ならば還暦。血管年齢が気になる年頃だが、動脈硬化を起こすことなく毎日、滞りなく運行している。乗り心地を保ちながら高速化を追求する車両開発、トンネルなど土木構造物の改修、運行管理のシステム化など、日々の積み重ねの結果である。安全・安定輸送が第一で「危険になる方向では絶対に取り組まない」(丹羽俊介社長)。
8月8日の宮崎県沖地震で、東海道新幹線は三島―三河安城間の最高速度を落として運転した。南海トラフ地震臨時情報が発せられたことに対応した。2021年に修正した防災業務計画書に沿ったものだ。安全輸送の確保は綿密に進められる。
検査専用車両「ドクターイエロー」は25年1月で引退する。検査機能はN700S営業車両に移す。電車線金具、レールや枕木、ボルトなどの状態をより細かく高頻度で把握する。
リニア中央新幹線の開業予定は34年以降。バイパスができるわけだが、輸送能力は比較して小さい。東海道新幹線は安全・安定輸送に磨きをかけ、これからも日本の大動脈を支え続ける。
(2024/9/27 05:00)