インタビュー/有機合成薬品工業 取締役常務執行役員・草野正浩氏 社員の自立・自走で改善進む

(2024/10/9 12:00)

有機合成薬品工業の常磐工場(福島県いわき市)は2024年に操業60周年を迎えた。アミノ酸、工業薬品、医薬品など幅広い分野で使われる化学品を手がける。研究開発と生産の部門を統括する草野正浩取締役常務執行役員に工場の特徴などを聞いた。

―三つの事業分野それぞれの特徴は。

「アミノ酸分野は長年にわたり培ってきた技術のノウハウを駆使し、さまざまな用途に耐え得る高い品質と安全性が強みだ。工業薬品分野は顧客ニーズへの迅速な対応と競争力のある良品、医薬品事業は高い品質と安全性からなる製品安定供給と信頼性が特徴だ。これら三つにまたがる活動は各分野を互いに補完し合えるため、市況に左右されにくいなどの利点がある」

―「クオリティーカルチャーの醸成」を経営の重点施策に掲げています。

「例えば人材育成では、慣習的な作業を惰性で続けるなど『むやみにルールに従うことに陥っていないか』や『常に原理・原則・目的などを理解して作業に当たっているか』を意識するよう習慣付けしている。コンプライアンス(法令順守)教育も充実させている。その結果、従業員一人ひとりが自立・自走し、自分ごととして改善が進み、業務効率化によって業績向上につながると考える」

―10年代後半から25年にかけて累計約80億円の投資を実行・計画しています。

「18年に医薬品設備を新設した。国内向けの医薬品原料の製造やグローバル医薬の中間体などを製造している。現在はアミノ酸関連設備の生産能力拡大に取り組んでいる。既存の製造設備の増産投資のため、生産活動を続けながら段階的に工事を進めている。これにより半導体・医薬品・食品分野への供給拡大を目指している。特に半導体向けは今後需要が高まると予想され、しっかり供給責任を果たしていく」

―工場におけるカーボンニュートラル(温室効果ガス〈GHG〉排出量実質ゼロ)の活動は。

「GHG低減を基本に、再生可能エネルギー活用や合成メタン(e―メタン)などへの変換技術導入の必要性は年々高まっているが、自社だけでは対応に限りがある。地域の産学官と連携しながら地域に貢献していく」

(2024/10/9 12:00)

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