(2024/10/9 17:00)
日本工作機械工業会(日工会)が9日発表した9月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比6・5%減の1252億9700万円と、2カ月連続で前年同月実績を下回った。一方、前月比は13・1%増と3カ月ぶりに増加し、受注額が1250億円を上回ったのも3カ月ぶりとなった。日工会は「一進一退の受注状況の中で力強さに欠けるが、回復に向けた方向性が変わったとはいえない」(調査企画部)としている。
9月の受注額のうち外需は前年同月比6・2%減の834億2200万円と、2カ月連続で減少。一方、内需は同7・0%減の418億7500万円で、25カ月連続でマイナスとなった。地政学リスクの高まりや米大統領選挙といった不確定要素が多く、「設備投資の様子見があったのではないか」(同)。
これまでの受注総額は5月以降3カ月連続で前年同月比プラスとなり、8、9月はマイナスとなった。増加の要因として8月まで5月連続で増加した中国が全体を押し上げた。一方、「中国では先行き不透明感から足元で設備投資を様子見する動きも見られる」(工作機械メーカー幹部)との声も聞かれる。
日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は9月26日の会見で、「全体の受注状況は調整局面から本格的な回復に向かっているとの見立ては変えていない。ただ2024年後半からもう少し上向くと考えていたが、少し遅れるのではないか」との見方を示した。
(2024/10/9 17:00)
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