(2024/10/16 12:00)
浅井鋳造所(愛知県一宮市、浅井敬司社長)は、鋳造現場のデジタル変革(DX)を推進し、鋳造技術とITを兼ね備えた人材の育成、成長に力を注いでいる。在庫管理、生産管理にデジタルツールを利用し、鋳造現場では図面の確認などでタブレット端末を活用している。デジタル世代の若者に身近なツールを積極的に取り入れ、鋳物づくりを未来に伝えている。浅井社長に思いを聞いた。
―業務のDXを推進しています。
「在庫、生産管理とも市販アプリケーションを利用している。扱った鋳物がどこに、どのような状態にあるかなどモノの動きを管理できる。画像で確認したり図面を見たりと理解が進むにつれて、タブレット利用が進んだ。デジタル化に抵抗がない若者なら、すぐに利用できる環境にある」
―DXをどう発展させていきますか。
「2024年は湯流れや流速、温度変化など鋳造工程をシミュレーションできる解析ソフトウエアを導入した。各工程を見える化することで鋳造技術の理解が深まる。技術の高度化とともに不良解析サービスなど新たな事業につなげたい」
―鋳物づくりを担う人材を「鋳人(いものびと)」と称し、会社のロゴマークに用いています。
「鋳人は中国の古典『論語』にある言葉で、人を育てるという意味がある。職人らしい技術、技能にITなど先進技術を融合し、時代の変化に対応しながら鋳造技術を進歩させていくという思いを込めた。その発展形として、将来は鋳造に特化した研究、交流の場を作りたい。名称は『鋳物未来ラボ』と決めている。機械加工や設計など多様な人たちが集い、新しい鋳物づくりの創造を目指す」
―自社で保有するサッカー練習場やキャンプ場を貸し出したり、農業体験を実施したりと地域貢献に熱心に取り組んでいます。
「スポーツに打ち込んだ若者の大半は、就業を機にスポーツとの関わりを中断せざるを得ない。それならば、当社に勤めながら練習場で子どもたちにサッカーを教える、といった働き方もできるだろうと考えた。企業として、仕事と夢の両立を応援したいという気持ちの表れだ。次代を担う人材を社会全体で育む環境づくりに貢献したい」
(2024/10/16 12:00)
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