(2024/10/17 05:00)
衆院選は、経済政策が大きな争点になる。主要各党の公約をみると、デフレ脱却に向け、所得と個人消費の拡大を目指す考え方ではおおむね一致する。減税や歳出拡大に動き、経済の好循環を回すことに軸足を置く。ただ財源が必ずしも明確でない公約もあり、持続可能な政策であるのか見極める必要がある。
各党は国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費の喚起策を公約に盛った。自民党は補正予算の編成を伴う経済対策を策定し、電気・ガス代の高騰対策や低所得者世帯への給付金、地域が実態に応じて物価高対策を講じるための地方交付金の拡充などに取り組む。2024年度補正予算案は、前年度の約13兆円を上回る額を想定しており、「規模ありき」とならぬよう歳出の精査が求められる。
自公両党の過半数割れを目指す立憲民主党は、消費税の負担を軽減する給付付き税額控除の導入や、ガソリン代高騰の負担を抑えるトリガー条項の一時凍結解除を打ち出した。日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、共産党は消費税の減税や廃止を訴える。消費税見直しは消費喚起が期待できる半面、社会保障財源が不足する。消費税の負担軽減と社会保障の持続可能性をいかに両立させるか、各党の公約を確認する必要がある。
石破茂政権が掲げる最低賃金(時給)1500円以上の目標を打ち出す政党も少なくない。ただ中小企業の支払い能力をいかに高めるのか、価格転嫁対策はもとより、成長戦略の裏付けを伴っているかが問われる。
社会保険料負担のあり方で、応能負担を求める政党が少なくない。自民党は、現役世代が高齢者を支える社会保障制度を見直し、支配能力のある高齢者にも負担増を求める全世代型社会保障制度を構築する。国民民主党も現役世代の負担減を掲げ、日本維新の会は高齢者の医療費窓口負担を1割から3割に引き上げる。立憲民主党も「分厚い中間層復活」を目指す。社会保障をめぐる将来不安の払拭は、最大の消費喚起策とされる。経済政策と同時に、この分野での各党の公約も注視したい。
(2024/10/17 05:00)
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