複数のAIモデルが議論し解答 NTT、市民参加型ワークショップ開催

ＮＴＴは１７日、特有の専門性を持つ複数の人工知能（ＡＩ）モデルが相互に議論して多様な視点から解を生み出す「ＡＩコンステレーション」を活用した市民参加型ワークショップを福岡県大牟田市で開いたと発表した。内科医の専門知識を持つＡＩモデルのほか、作業療法士、社会疫学者、歯科医師、民生委員というそれぞれの専門知識を持つＡＩモデル同士が介護予防に関するアイデア出しについて議論。ＡＩたちが導き出したアイデアを元に理学療法士や行政職員らの参加者が議論を深掘りした。

ＮＴＴは生成ＡＩの基盤となる独自の大規模言語モデル（ＬＬＭ）「ｔｓｕｚｕｍｉ（ツヅミ）」の商用提供を３月に始めた。性能指標となるパラメーター数が約７０億と軽量ながら高い日本語性能やカスタマイズ（個別対応）機能を持つ。

また、一つの巨大なＬＬＭではなく、専門性や個性を持った多様なＬＬＭの集合知で社会問題の解決を図る「ＡＩコンステレーション」を提唱している。今回の実証では、立場によって意見が異なる市民同士の議論に適用し、ＡＩ同士の議論が実社会にどのような効用を与えるかについて検証した。

今後は地域創生や企業でのマーケティング活用など、さまざまな意思決定を伴う事例への適用を検討する。