(2024/10/17 12:00)
ミネベアミツミグループのアナログ半導体メーカー、エイブリックはサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化のために、後工程を担う秋田事業所(秋田県大仙市)で医療機器向け集積回路(IC)の自社生産を始める。従来は外部に委託していた。ただ、顧客から事業継続計画(BCP)対策を求める声を受け、自社生産を決めた。柔軟な生産計画を立てられる利点もあり、将来の需要増加にも対応できるようにする。
アナログ半導体の組み立てや検査を手がける秋田事業所で、2025年度にも超音波診断装置用のICを生産する計画。具体的には電源を入れたり、切ったりするための半導体などを製造する。
田中誠司社長は「後工程において顧客から、マルチソース(調達先の複数化)の要求が高まってきている」と説明する。コロナ禍に供給網が混乱し、半導体が入手しにくくなった記憶が顧客にはあるようだ。
エイブリックはスマートフォンをはじめとした民生機器用のリチウムイオン電池(LiB)向けICなどを手がける。他方、16年に日立製作所から譲り受けた医療機器向けICも、稼ぎ頭として成長している。
また9月にはソシオネクストの医療機器関連事業の買収を発表した。同社が持つ小型の超音波診断装置向けの受信技術などを取り込む。田中社長は「ポータブル(小型の超音波診断装置)の市場も今後伸びると想定している」と期待する。自社生産を始めることでBCP対策にとどまらず、医療機器用IC事業の拡大に向けて万全の体制を整える。
(2024/10/17 12:00)
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