(2024/10/17 05:00)
台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出は、日本の半導体産業の裾野を広げる。日本と台湾の情報セキュリティー企業が、半導体開発環境・デザインサービスのセキュリティー分野で協業の検討を始めた。
NSW、台湾KeyXentic、その日本総代理店のNetPeaceは、電機・情報通信技術(ICT)の総合展示会「CEATEC(シーテック)2024」の会場内で調印した。目的は、半導体メーカーが半導体設計の現場経由でサイバー攻撃にさらされる事態を防ぐことにあるという。
台湾は政府が能動的にセキュリティー対策のルールを決め、関連企業の支援を積極的に行っている。近隣国からのサイバー攻撃が非常に多く、対策にも長じている。
半導体の設計は、クラウドサービスの利用拡大などで働き方が変わる。ユーザーやデバイスを信用せずに常に検証を行う「ゼロトラスト」の概念に沿ったセキュリティーの構築を目指すという。
TSMCの進出は世界をリードする日本の半導体製造装置・材料の需要を押し上げる。熊本県菊陽町の第1工場は年末に、第2工場は2027年に稼働する予定。生産が軌道に乗ることで、さらなる波及効果が期待される。
(2024/10/17 05:00)