現代の名工/大塚ローテック・片山次朗氏

(2024/12/16 12:00)

独学で技術 自分の好きを追求

自身で製作した機械式腕時計「6号」が時計業界のアカデミー賞とも呼ばれる「ジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリ」のチャレンジ部門でグランプリを受賞した片山次朗さん。専門学校でデザインを学び、自動車の外装を設計する仕事に就いた。プロダクトデザイナーとして独立後は、レンズやヘルメットなどのデザインを手がけた。

2008年にオークションサイトで旋盤を購入したのが時計製作を始めたきっかけ。金属加工に楽しさを感じ、一人で作り上げたいという思いや、機械も小さく集めやすいことなどから時計を選んだ。12年に自身のブランド「大塚ローテック」を立ち上げ、販売を開始。20年ごろには時計製作が本業となった。

技術は全て独学で習得。片山さんは「今は何でもネットで調べられる。検索に英語を用いるなど切り口を変えていた」と工夫を語る。「オークションサイトやフリマアプリでメーターなどの雑貨をよく購入する」そうで、ここから独創的なデザインの着想を得ることもある。23年には、22年に現代の名工に選ばれた東京時計精密(東京都文京区)の浅岡肇社長と出会い、量産のために同社の若手3人に技術指導を始めた。

「自分の好きを追求してきた」という片山さん。「部品の小ささに苦労することはあるが、時計製作を選んだことに後悔はない」という。「いずれは時計の心臓部であるテンプも自作し、一から時計を作り上げたい」と挑戦は続く。

(2024/12/16 12:00)

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