現代の名工／電気機械修理工 ルネサスエレクトロニクス・衛藤洋治氏 修理内製、ソフト面も

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  ルネサスエレクトロニクスの衛藤洋治さん。ロボットのオーバーホールも内製化している

ルネサスエレクトロニクスの衛藤洋治さんは、半導体製造装置など自社工場設備の修理を手がける。修理の内製化は生産現場のコスト削減に貢献する。

１９８８年に入社した。９０年から２００９年までは設備保全課で、動作不良を起こした装置の部品交換や保全に従事。現在の修理内製課には０９年から所属する。

「ロボットから電源、パソコンに至るまで工場内のあらゆる不良が対象」と衛藤さんは仕事を説明する。同課は部品交換などのハード面から、ロボットのプログラミングといったソフト面までカバーする。長年使う製造装置の修理では新しい制御部品と既存装置の通信方法が異なり、うまく機能しない事態に直面することがあった。そこで両方のシステムを調べながら手を加えた結果、装置は問題なく動くようになった。

衛藤さんは「現場から『ありがとう』と言ってもらえるのがうれしい」と笑みを浮かべ、やりがいを語る。修理内製課があるのはグループ会社の川尻工場（熊本市南区）のみ。全国から届く修理依頼は月約２００件に上る。頼みの綱として相談が寄せられるケースも少なくない。同課では２４年、入社２年目の若手社員が配属され、技能の伝承が進む。

修理内製課と同様の組織を作りたいというニーズは他の工場にもある。衛藤さんは全国を飛び回り、技術の普及にまい進、人材育成に励む。「ルネサスの保全・修理内製技術はすごいと誇れるように」と胸に刻んで。