現代の名工/金属手仕上工 豊田自動織機・山田光乗氏 磨きの感覚 体で覚える

(2024/12/18 12:00)

  • 技能を伝える豊田自動織機の山田光乗さん(中央奥)

「手でモノをつくる感覚は、モノづくりにおける全てのベースになる」。豊田自動織機の山田光乗さんは約30年間、同社の職業訓練校「技能専修学園」の指導員を務め、金属手仕上工としての腕を磨いてきた。金属をヤスリで削り、求められる精度に持っていく。作業を言葉にすると非常にシンプルだが、「簡単にはできない。体で磨く感覚を覚えていくしかない」と、その難しさを表現する。

自らも1986年に学園の門をたたいた。卒業後は同社のエンジン工場で4年勤め、その後は学園で教壇に立ちながら自らの技能を磨いた。「金属手仕上工としての技能は指導員になってから身に付けたものと言える。学園生に教えるためには自分が何倍も、知識や技能を持ち合わせていないといけない」と思いを語る。

同社が技能五輪に挑む選手の育成を本格的に始めた2000年。山田さんはヤスリを使って部品を仕上げ加工し組み立てる種目「機械組立て」の指導員となった。「正直、他社のモノづくりに対する考え方のレベルが高く、我々はマイナスからのスタートだった」と振り返る。だが、試行錯誤の結果、初挑戦から3年で選手がメダルを獲得するまでに成長。現在も機械組立ては同社の得意種目になっている。

これまで約1800人の学園生に技能を教えた。「いろいろな学園生がそれぞれ製造現場で頑張っている姿を見るのが最高の喜び」と口角を上げる。

(2024/12/18 12:00)

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