(2024/10/21 05:00)
不二越は電気自動車(EV)などに使う非鉄金属の需要増をにらみ、アルミニウムなど非鉄金属の切削加工時に発生する「バリ」を極小化できる工具を開発した。ドリルやミルなどを11月5日に市場投入する。新開発の非鉄金属用ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を塗布することでバリの極小化を実現した。同社はバリレスシリーズとして鉄鋼向け工具を販売しており、今後ラインアップを拡充し電動車や航空機などアルミ合金を多用する市場を開拓する。
アルミ合金を含む非鉄金属は切削加工時に被削材が工具の刃先に凝着しやすく、バリが増大して品質低下や工具損傷を引き起こす恐れがあった。また圧縮の力を加えると変形しやすい特性があり、ドリルの先端角によって発生する圧縮の力で、抜けバリが鋼と比べて大きくなるなど課題が多かった。
新開発のDLC膜「DLC―REVOコーティング」は、こうした課題に対応した。ダイヤモンドに次ぐ膜硬さで耐熱性の高い「ta―C(テトラヘドラルアモルファスカーボン)」の表面に摺(しゅう)動特性を追加することで、低摩擦を実現した。また膜厚を0・1マイクロ―0・3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)にすることで切れ味を担保する。
今回、この膜を塗布し、非鉄金属用として投入するのが「DLC―REVOドリルバリレス」。強ねじれ角によって切れ刃の切れ味を向上した。また溝すくい角を大きくすることでRエッジの切れ味も高めた。寸法範囲は直径2ミリ―16ミリメートル。同6ミリメートルの価格は1本当たり1万1700円(消費税抜き)。
また「DLC―REVOミルバリレス」は、属性の高いアルミに対して切れ味と防振効果の両立でバリを低減する。寸法範囲は同6ミリ―20ミリメートル。同10ミリメートルの価格は1万3200円(同)。このほか「アクアREVOミルトリミングバリレス」と「SGスパイラルタップロングシャンクバリレス」も投入する。
(2024/10/21 05:00)
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