(2024/10/21 12:00)
アルプスアルパイングループで車載用製品を生産するアルパインマニュファクチャリング(福島県いわき市、山崎雄一社長)は、主に工程間の部品搬送で自作ロボットを活用する。人が運ぶことで部品が落下するリスクを減らすほか、人手不足に対応する。作業員の負担軽減にもつながっている。品質の高さが要求される車載品では、安定した動作ができるロボットの存在が不可欠だ。将来、内製したロボットを他工場でも活用していく。
好間工場(同市)ではカーナビゲーションシステムやディスプレーなどを生産する。工場には表面実装技術(SMT)ラインが並ぶ。製品内に組み込む基板をつくり、製品を組み立てて完成させる。
ロボット導入を担当する設備外販プロジェクトの生天目祐一プロジェクトマネージャーは「品質を安定させるためにバラつきをなくす必要があり、自動化している」と狙いを語る。例えば、組み立て工程や検査工程での自動化を進める。
ただ、生産ラインの変更は顧客の承認が必要なため、自動化には時間を要する。そこで、直近は柔軟に自動化ができる工程間の搬送に注目。無人搬送車(AGV)を好間工場では7台導入している。具体的には、基板を組み立て工程に移動させたり、梱包した段ボール箱を運んだりする。従業員の負担軽減につながった。
AGVを積極的に活用する中で、約3年前に内製を始めた。AGVの購入費用を抑えるほか「求めている仕様のAGVがなかった」(生天目氏)ことも内製に取り組んだ理由の一つだ。
他方、自動化推進に対する従業員の反応はさまざま。負担が大きい作業をロボットが担ってくれる半面、従来の業務から離れざるを得ない場合もある。不安に思う従業員に対しては次に担当する仕事内容を説明し、納得してもらえるように努めた。将来は自作ロボットを他拠点にも導入し、グループ全体の品質向上につなげる。
(2024/10/21 12:00)
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