(2024/10/21 12:00)
クラボウはマンションなどの断熱材として使う発泡ウレタンフォームの厚さを3次元(3D)スキャナーで計測するシステム「アツミエル」を開発した。施工箇所全体を計測でき、検査品質が向上する。厚さの計測結果がその場で分かり、検査記録表の自動作成も可能で作業時間の短縮につながる。検査工程の省力化やデジタル変革(DX)に貢献するとみており、3年でゼネコンを中心に50社の採用を目指す。
アツミエルは7月の予約受け付け開始後、30社以上が興味を持っているといい、「市場の反応は良い」(クラボウ)。ビルやマンションは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」化や「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション(ZEH―M、ゼッチ・マンション)」化などで高断熱化が求められる。断熱材に使用する発泡ウレタンの需要が高まり、吹き付け施工は高い品質基準が求められる。
従来は発泡したウレタンの任意の場所に、作業者が人手で厚さを測定するための「厚さゲージ」や「測定ピン」などを差し込み、目視で確認していた。これに対しアツミエルは専用の計測治具「アツミピン」を発泡後のウレタンフォームの任意の場所に数カ所差し込み、3Dスキャナーで測定。独自の解析専用アプリケーションでウレタンフォームとアツミピンとの差を計測し、厚さをタブレット端末上などに色別で自動表示する。その場で厚さが足りていない部分を把握・補修でき、次工程への影響を最小限にとどめられる。
ウレタンの厚さ計測は吹き付け業者がする自主検査のほか、施主や検査会社による検査もある。従来方法では、それぞれが検査のために測定器を差し込むため断熱材が欠損するほか、測定箇所にバラつきがある。検査で厚さが足りていない場合は再び作業が発生し、工程の遅延や施工業者の負担が増えるのが課題だった。今後は業界全体でアツミエルの利用を促進し「検査自体の省力化に貢献したい」(同)と意気込む。
(2024/10/21 12:00)
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