(2024/10/21 05:00)
中東情勢が緊迫化しているのに、原油価格が弱含みで推移している。本来なら高騰する局面だが、それ以上に中国の需要減が市場に大きな影響を与えているようだ。
石油輸出国機構(OPEC)によると、2024年の世界の石油需要(日量)は前年比193万バレルの増加見通しで、前月の予測から10万バレル下方修正した。中国が前月の同65万バレル増から同58万バレル増に下方修正された影響が大きい。
中国は長引く不動産不況で内需が停滞し、24年の成長率目標「5%前後」の達成が危ぶまれる。18日発表の7―9月期の実質成長率は4・6%(年率換算)にとどまった。12日に財政出動による景気テコ入れ方針を打ち出したが、発行する国債の規模や時期が不透明で、先行き懸念を拭えない。一方の中東。米メディアによると、イスラエルによるイランへの報復は、石油施設や核関連施設を狙わず、軍事施設を標的にすると伝えている。このことも原油価格が弱含んでいる背景にあるという。
弱含みの原油価格は、日本経済にとってはプラス材料だ。ただ先週末の為替相場は一時、1ドル=150円台を付けるなど円安で推移していた。原油安も輸入物価の上昇に相殺されてしまうのだろうか?
(2024/10/21 05:00)