三重県熊野市の新種柑橘から美白成分を開発、製品化へ

高純度のフラボノイド抽出に成功、表皮内へのメラニンの拡散と滞留を抑制。ポリメトキシフラボノイドを多く含む「新姫(ニイヒメ)」から新成分

株式会社ナリス化粧品(本社：大阪市福島区　代表取締役社長：村岡弘義)は、三重県熊野市でしか栽培されていない新種の柑橘類である「新姫」（ニイヒメ）の果皮から、表皮内へメラニンの拡散と滞留を抑制する新成分を発見し、2020年1月に特許申請をしていましたが、この度、新成分の開発に成功し、製品化して発売することが決まりましたので研究の内容を報告します。


色素細胞が作るメラニンの拡散と、角層細胞のメラニンのため込みを抑制

皮膚のなかには、シミの原因となるメラニンをつくる細胞のメラノサイトと、角層をつくる細胞のケラチノサイトが存在します。メラノサイトは、メラニンの送り手であり、ケラチノサイトはメラニンの受け手です。メラノサイトは、紫外線などの刺激で活性化されると、デンドライトと呼ばれる細胞の触手の数が増加し、細胞の周りに多くのメラニンを拡散してしまうことがわかっています。　当社では、近年健康への効果が注目されている機能性成分のポリメトキシフラボノイドという成分が、他の柑橘類よりも多く含まれている「新姫」（ニイヒメ）に着目。果皮から高純度のフラボノイドを抽出する技術を開発しました。この抽出した成分をメラノサイトに添加すると、デンドライトを伸ばすことを抑制することがわかりました。
また、ケラチノサイトがメラニンを受け取る時に増加するPAR-2タンパクを減らす作用があることもわかりました。このメラニンの拡散を防ぎ、滞留を抑える成分の研究を特許出願しており、この度、新成分「ニイヒメエキス/シトルス（タチバナ/レチクラタ）果皮エキス（保湿成分）」の開発に成功。今後の製品開発に生かしていくことが決まりました。






三重県熊野市でしか栽培されていない新種柑橘「新姫」

「新姫」は、「橘」と日本在来種の「温州みかん」が自然交配して誕生した新種の柑橘で三重県熊野市でしか栽培されていません。一般的に柑橘は、フラボノイドを多く含みますが、新姫には、橘やシークワーサーなど一部の柑橘にしか含まれていないポリメトキシフラボノイドという特殊なフラボノイドが含まれていることが知られています。今回、新種であり、まだ研究調査のあまり進んでいない「新姫」に着目し、7年をかけて美容効果成分の可能性を研究。その結果、新姫エキスには、メラノサイトとケラチノサイトのメラニンの受け渡しを同時に遮断することで、肌内部のメラニン量を減少させる効果があることがわかりました。





今後の展望　　当社では今まで、植物成分の開発に注力してきましたが、地域の固有の植物を研究することで、まだ秘められた植物の力を発見することができるのではないかと考えています。


公開特許の内容
出願番号：特願2020-15619　出願日：令和2年1月31日
出願人：株式会社ナリス化粧品　発明者：山崎浩子・森田美穂
発明の名称：ケラチノサイトのPAR-2発現抑制剤およびメラノサイトのデンドライト形成抑制剤


研究者プロフィール


山崎　浩子（やまざき　ひろこ）
株式会社ナリス化粧品　研究開発部　研究課　基盤技術グループ　
〈略歴〉
名古屋大学大学院生命農学研究科　応用生命科学科卒業
2009年株式会社ナリス化粧品入社
〈職務経歴〉
入社後、研究開発部　基礎研究グループに配属。
シミ・シワ・毛穴等・幅広く皮膚トラブルに関する研究を行う。

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情報提供元：PRTIMES
本リリースの掲載元：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000229.000025614.html