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フィンフェット世代の半導体を用いた耐放射線FPGAを実証

(2023/11/6)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社

電子機器の放射線耐性向上や消費電力削減に有用な国産半導体技術であるNanoBridge(R)(ナノブリッジ)技術を保有するナノブリッジ・セミコンダクター株式会社(注1、以下 NBS)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(注2、英: Japan Aerospace Exploration Agency、以下 JAXA)と共同で、フィンフェット世代(注3)の半導体を用いた耐放射線ナノブリッジFPGA(NBFPGA)(注4)を開発し、その基本動作を実証しました。


 電子機器の放射線耐性向上や消費電力削減に有用な国産半導体技術であるNanoBridge(R)(ナノブリッジ)技術を保有するナノブリッジ・セミコンダクター株式会社(注1、以下 NBS)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(注2、英: Japan Aerospace Exploration Agency、以下 JAXA)と共同で、フィンフェット世代(注3)の半導体を用いた耐放射線ナノブリッジFPGA(NBFPGA)(注4)を開発し、その基本動作を実証しました。

 NBSは、2019年9月にNECの研究者が設立したベンチャー企業です。NanoBridgeは、固体電解質中の金属原子の析出・溶解を印加電圧により制御し、LSI(大規模集積回路)の配線間にナノメートルサイズの金属架橋(ブリッジ)を生成・消滅してスイッチのオン・オフ状態を実現する技術です。繰り返し回路の書き換えが可能で、オン・オフ状態の維持に電力が不要(不揮発性)のため、低消費電力かつ高い放射線耐性と温度耐性を有しており、製造後に回路の再構成が可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)やメモリに最適な技術として注目されています。今後、航空宇宙向けの用途や、低消費電力な用途におけるグリーンイノベーションとして期待されています。
 
 NBSは従来からNanoBridgeの事業化(注5)を進めてきましたが、このたび航空宇宙や通信インフラなど耐放射線性が必須とされる領域で、より大規模な情報処理が可能となる、フィンフェット世代の半導体へのNanoBridge適用技術を開発し、小規模のNanoBridgeFPGAチップを試作、その基本動作を実証しました。微細化した半導体デバイスの耐放射線性を高めるため、JAXAの開発したRHBD技術(注6)を導入し、半導体回路部の耐放射線特性を向上しました。NanoBridge技術とRHBD技術を組み合わせることで、優れた耐放射線性を有するNBFPGAを実現可能となります。今後、開発した技術を元により大規模なNBFPGAを開発し、航空宇宙向けや自動車など国内外の製造業向けに幅広くNanoBridge事業の展開を目指します。

 開発した技術の詳細は2023年10月16日~17日に茨城県つくば市で開催されたThe Microelectronics Workshop(MEWS36)にて発表しました。
(プログラム:https://ssl.tksc.jaxa.jp/mews/jp/index.html?top

 本成果は、文部科学省の委託事業「衛星のデジタル化に向けた革新的FPGAの研究開発」により得られたものです。JAXAからNBSへの研究開発委託により、実施されました。

 NBSでは、NanoBridgeの可能性を更に広げるための、半導体デバイス/回路の研究者、およびエンジニアの採用を進めています。
(コンタクト先:https://nanobridgesemi.com/?page_id=463


<技術背景>
 宇宙空間では、宇宙からの強い放射線に直接曝されるため、電子回路にとって過酷な環境です。特に問題となるのが、半導体部品の誤動作(注6)です。現在、国内で製造されている大・中型の人工衛星の中核部品として用いられる高い放射線耐性を持つ高機能LSIの大半は、海外からの輸入であり、経済安全保障の観点から、国産化が望まれています。
 NanoBridgeFPGA(NBFPGA)は、きわめて高い放射線耐性をもつ論理集積回路であり、その基盤技術は革新的衛星技術実証1号機小型実証衛星1号機(RAPIS-1)(注7)において実証され、開発体制は実用段階に移行しています。今回の開発によって、より微細化した世代の半導体にもナノブリッジが適用できるようになるため、より大規模なNBFPGAを提供することが可能になります。

以上

(注1) 本社:茨城県つくば市、代表取締役:杉林直彦
(注2) 本部:東京都調布市、理事長:山川宏
(注3) フィンフェット(Fin Field-Effect Transistor:FinFET)とは、チャネルを三次元化したMOSFETです。チャネルの形状が魚の「ひれ」(英語のカタカナ表現でフィン)に似ていることから、フィンフェットと呼ばれています。一般に16nm世代以降のロジックテクノロジーノードで導入されています。今回は16~12nm世代のテクノロジーノードを用いています。
(注4) 世界唯一の技術をもとにNECからスピンオフ 1/10の省電力化を実現するFPGA「ナノブリッジ」
https://jpn.nec.com/rd/special/202101/index.html
(注5)  シリーズA2投資について
    https://nanobridgesemi.com/?page_id=7
(注6) 放射線下ではソフトエラー(放射線によるビット反転エラー)などが発生します。これらのエラーを回路設計により回避する技術の総称です。(Radiation Hardening By Designing:RHBD)
(注7) 革新的FPGA(NBFPGA:NanoBridge based Field Programmable Gate Array)https://www.kenkai.jaxa.jp/kakushin/kakushin01.html

<ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社について>
https://nanobridgesemi.com/

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