(2025/1/7 12:00)
日東電気(茨城県茨城町、阿部太洋社長)は、外国人人材の活用を進めている。2月以降にインド国籍の人材を技術者として5人採用する。過去にも外国人社員の採用経験を持ち、必要な支援内容などに経験を生かす。インターンシップ(就業体験)を通じて、入社前から就業への意欲や熱意も確認する。阿部社長は「発想力を期待している。現場にも“新しい風”を吹かせてほしい」と笑顔を見せる。
インドのアミティ大学(ウッタル・プラデーシュ州)から理工系学生を受け入れる。インド現地で面接をして内定を出した学生だ。まず日本語の能力が高い2人について、2024年11月にインターンシップを10日間の日程で実施した。25年2月に入社し、生産技術部門のカイゼン活動に従事する。残りの3人は、日本語能力検定で日常会話に問題がないと判断された後、インターンシップを経て4月以降に入社する。
11月のインターンシップでは、日東電気の3カ所の生産拠点を見て、ラインの改善提案をした。現場見学や担当者との話し合いを通じ、複数の提案をした。自動車向けなどにアルミニウムダイカストの製造をする現場では、切削くずのリサイクルの提案があった。
そのほかアルミニウムインゴットの溶解炉への投入作業の省力化などで意見が交わされた。インド人材について阿部社長は「レベルが高い」と評価する。「面接時も自己PRを見て、意欲の高さを感じた」と振り返り、活躍を願う。
人手不足だけでなく、社員の意識改革にもつなげる。熱意を持ったインド人材と関わることで、日本人の社員にも「ハングリー精神を学んでほしい」と阿部社長は意気込む。違うバックグラウンドをもとに生まれる多様な考え方を生かす。
現在日東電気では、インドネシアとベトナムから技術者を計3人迎えている。それぞれ技術者として、日本人の従業員と同じ作業に従事している。生産技術部に所属するインドネシア人のリフキ・ユナンダ氏は「技術的なことも日本語で話す。コミュニケーションが大切だと実感している」と日本での生活を説明する。
日東電気では、年間数十人を中途採用している一方、日本人の新卒採用は「難しい状況」(阿部社長)。外国人人材には、日本人と遜色ない待遇を用意し、必要に応じたビザや住居サポートもする。「これからも長く日本に居て活躍してほしい」と展望する。
(2025/1/7 12:00)
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